現在トラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉は広く浸透しており、誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
トラウマやPTSDが周知されたのは1995年の阪神・淡路大震災からといわれています。
当時は大規模災害や未曽有の大事件が発生し、日本国民が大きなショックを受けた時代だったのです。
今回はPTSDを抱えて生きるための様々な情報をでじもふくんとお伝えします。
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PTSDとは

PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉はよく耳にしますが、その正確な意味や症状についてはあまり知られていないかもしれません。
ここではPTSDの定義や、トラウマとの違いについて解説します。
参照:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト PTSD」
トラウマとの違い
PTSDとトラウマは同意語で語られることも少なくありません。
しかし実際にトラウマは辛い体験によって心に傷を負うことを意味しており、PTSDはトラウマによる心の傷が慢性的な後遺症として残ってしまう精神的障害の病名です。
たとえば暴力や事故、災害、戦争といった「心に強い傷を残す体験」をすると、多くの人はトラウマとなり日常生活に支障が生じるほどの不安や恐怖を感じてしまいます。
しかし一般的にトラウマは、一か月ほど経過すると自然に回復していきます。
一方でいつまでもトラウマが回復せず、悪夢を見たりフラッシュバックを起こしたりするなどトラウマの影響が長く続くとPTSDと診断されるのです。
単純性PTSDと複雑性PTSD
PTSDには大きく「単純性PTSD」と「複雑性PTSD」の2種類があります。
単純性PTSDは、事故や災害など一度の出来事が原因となるのに対し、複雑性PTSDは、虐待やDVなど長期的で繰り返されるトラウマ体験が原因です。
複雑性PTSDの方はPTSDの症状に加えて、感情のコントロールや人間関係にも大きな影響が出やすいとされ、自己基盤の脆弱性を引き起こしやすいといわれています。
【単純性PTSD】
・一度、または短期間の明確なトラウマ体験をきっかけに発症する
・主な症状は「再体験」「回避」「否定的な思考や感情」「過覚醒」の4つで、発症要因が比較的明確
【複雑性PTSD】
・長期間にわたる繰り返しのトラウマにより形成される
・単純性PTSDの症状に加え、自己否定感・感情調整の困難・対人関係の問題などが強く現れる傾向がある
PTSDの症状と生活への影響

PTSDには一般的に4つの症状がみられ、日常生活の様々な場面で影響を及ぼします。
代表的な4つの症状
PTSDの症状は大きく4つに分けられます。
これらが組み合わされることで、日常生活に大きな負担をもたらします。
①フラッシュバックや悪夢などの「再体験」
②トラウマを思い出す状況や場所を避ける「回避」
③罪悪感や無力感などの「否定的な思考や感情」
④常に緊張し眠れない「過覚醒」
①再体験
トラウマ体験が突然よみがえるように感じる症状。
実際の出来事が起こっていなくても、身体や心が「その時」に戻ってしまうような感覚になります。
【具体例】
・交通事故後、似た音(ブレーキ音など)を聞くと強い恐怖を感じる
・災害を経験した人が、ニュース映像を見るだけで涙や動悸が出る
②回避
トラウマを思い出させる場所・人・話題などを避けようとする行動。
心を守る反応ですが、日常生活の幅を狭めることもあります。
【具体例】
・事故現場の近くを通らないよう遠回りをする
・当時の話題になると席を外す、記憶を話そうとしない
③否定的な思考や感情
トラウマを経験してから「自分が悪い」「世界は危険だ」といった、否定的な考えや感情が続く状態。
感情の麻痺や興味喪失が現れることもあります。
【具体例】
・過去の行動などに強い罪悪感を抱く
・趣味や好きだったことに興味が持てなくなる
④過覚醒
心身が常に緊張状態にあり、些細な刺激にも過敏に反応してしまう状態。
睡眠や集中力にも影響が出ることもあります。
【具体例】
・小さな物音でも驚いてしまう
・夜眠れず昼間も落ち着かない・イライラする
仕事や人間関係など日常生活に影響
PTSDの症状により、患者の生活には様々な支障が生じます。
症状が続くと集中力の低下によって、仕事や学業に支障をきたしたり、人との交流を避けたりして、結果的に孤立してしまうことも少なくありません。
またPTSDの症状により外出や公共交通機関の利用が難しくなると、生活の幅も狭まってしまいます。
症状が深刻になるにつれて、本人だけでなく家族や周囲の生活にも影響が及びます。
またPTSDは不眠やうつ病、アルコール依存など、他の問題を引き起こすこともあります。こうした二次的な問題は回復をさらに難しくするため、早めの治療や支援が大切です。
生活面の問題
・外出時に人混みや大きな音で強い不安を感じ、買い物や公共交通機関の利用が難しい
・悪夢やフラッシュバックで夜眠れず、生活リズムが乱れ日常生活に支障をきたす
・急な動悸や過呼吸に見舞われる
仕事・学業の問題
・集中力が続かず、業務のミスや勉強の遅れが増える
・職場の人間関係が負担となり、孤立や休職・退職につながる
・大きな声やドアの音など、トラウマを連想する刺激によって作業に支障が出る
人間関係の問題
・過去の体験が原因で「人を信じられない」「また裏切られるかもしれない」と感じ、親しい関係を築けない
・感情がコントロールできず、イライラや怒りが突然出てしまう
・人との交流を避けるようになり孤独感が強まる
健康面の問題
・睡眠障害から慢性的な疲労や頭痛・胃痛が出る
・不安や抑うつが強まり、うつ病やパニック障害を併発する
・アルコールや薬物に頼り、依存につながるケースもある

色々な影響があるね
PTSDと診断されたら

診断から治療、セルフケアまで、PTSDの症状と向き合う方法をお伝えします。
PTSDの診断
PTSDはDSM-5やICD-11といった、国際基準をもとに診断されます。
精神科や心療内科では患者の過去の体験や現在の症状、生活への影響など丁寧な聴き取りが行われます。
聞き取りは非常に重要で、医師は「トラウマの症状が一定期間を越えても続く」「生活や仕事に支障が出ている」などの様々な情報を基にPTSDの症状を把握するのです。
さらに症状の程度や特徴を客観的に把握するために心理検査も行われ、これらの情報を総合的に判断して診断が行われます。
PTSDの治療法
PTSDの治療は、心理療法と薬物療法の2本柱で行われます。
まず心理療法の際は、安心できる環境のもとでトラウマ体験に向き合い、症状を軽減していくことが中心になります。
代表的なのが認知行動療法(CBT)です。
その中でも「トラウマ焦点型認知行動療法(TF-CBT)」は、PTSDの治療に有効といわれており、安全な環境で段階的にトラウマと向き合っていきます。
他にもEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)も有効性が高く、比較的短期間で効果が見られる治療法として広く行われています。
薬物療法では不安やうつ状態を和らげるために、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの利用が一般的です。
薬物治療は辛い症状を和らげて、生活上の困難を減らすことで、心理治療をサポートする役割があります。
日常的にできるセルフケア
専門的な治療と並行して、生活習慣を整えることも回復を助けます。
規則正しい睡眠、適度な運動、深呼吸やヨガなどのリラックス法、信頼できる人との交流は、症状の軽減に役立ちます。
セルフケアは無理せず、少しずつ日常生活に取り入れてみましょう。
周囲ができること
周囲の適切なサポートによって、PTSDに苦しむ方を支えることができます。
安心できる環境を作り、本人の気持ちを尊重して寄り添いましょう。
必要に応じて医療機関や支援機関につなげることも重要です。
しかし励ましたいという気持ちが空回りして、安易に「忘れたほうがいい」などの言葉を投げかけるのは避けた方がいいでしょう。
相手を否定し、孤立感を強めてしまい、逆効果になりかねません。
過去の出来事を無理に思い出させることも避けるべきです。
焦らずに安心できる関わりを続けることが、患者の回復を支える一歩になります。

セルフケアと周りのサポートを頼ろう
PTSDの方が安心して働くには

心に傷を負っているPTSDの方は、まずは無理のない範囲で仕事と向き合っていくことが重要です。
利用できる福祉サービスも活用してみましょう。
向いている仕事の特徴
PTSDの方にはストレスが少なく、集中できる環境で行える仕事が向いています。
たとえば短時間勤務、静かな職場環境、在宅ワークなどが選択肢になります。
自分のペースで取り組める仕事を選ぶことが、症状を安定させて、無理をしない就労につながるのです。
またコミュニケーションが取りやすい職場であれば、症状が出たときも柔軟な対応が可能でしょう。
必要ならば転職も視野に入れて、PTSDの症状に理解のある職場を探すのも一つの方法です。
利用できる支援機関
PTSDで働くことに不安がある方は、支援機関を利用してサポートを受けながら自分の働きやすい職場を探すことが可能です。
一例でいえば、次のようなステップを踏んで利用できます。
①医療機関を受診・診断を受ける
②自治体の福祉課や保健センターに相談
③ハローワークや就労移行支援事業所など就労支援機関へ相談
④支援機関と連携して就職活動開始
⑤就職後のフォロー・定着支援を受ける
主な利用できる就労支援サービスには、次のようなものがあります。
就労移行支援事業所
障害や病気を抱える方が、一般就労に向けて訓練やサポートを受けられる施設です。
生活リズムを整えながら、パソコン・ビジネスマナー・コミュニケーションなどの訓練を行い、就職活動や職場定着を支援します。
地域障害者職業センター
専門スタッフが職業評価や職業訓練を行い、就職活動や職場適応をサポートします。
事業所と連携しながら、働き続けるための助言も受けられます。
参照:高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」
障害者就業・生活支援センター
障害者が働くことと生活の両方をサポートする地域の拠点です。
職場探しから就職後の定着支援、日常生活の困りごとや相談まで一体的に支援してくれます。
参照:厚生労働省「令和7年度障害者就業・生活支援センター 一覧」
ハローワーク(専門援助部門)
ハローワークの「専門援助部門」では、障害のある方を対象とした職業相談や紹介を行っています。
障害者雇用枠の求人情報もあり、就職活動の重要な窓口になります。
でじもふくんのひとこと
「セルフケアや自身を大切にしつつ
頼れるところは頼っていこう」

今回はトライアル雇用のミスマッチについてお伝えしてきました。トライアル雇用は求職者と企業が相互に適性を確認するための制度ですが、実際に働いてみるとミスマッチを感じることもあります。ミスマッチを感じたら、まずは冷静に自己分析し、対応策を考えることが大切です。話し合いで解決できる場合もあるため、まずは相談し、それでも難しい場合は丁寧に申し出るようにしましょう。
私たちデジキャリIT就労移行支援事業所では、障害等の事情があって就職・再就職に悩んでいる方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行なっています。「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一度相談に来てみてはいかがでしょうか。

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