発達障害には代表的なものにASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如多動性障害)とがあります。症状には共通する部分、異なる部分があります。詳しくそれぞれの病気のもつ特徴や違いを見ていきます。また症状が仕事をする上で妨げにならない工夫を習得できるコツについても解説します。|IT特化型就労移行支援事業所COCOCARA
代表的な発達障害ASDとADHDの違いとは?仕事上での工夫を習得するコツを解説
発達障害には代表的なものにASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如多動性障害)とがあります。
症状には共通する部分、異なる部分があります。詳しくそれぞれの病気のもつ特徴や違いを見ていきます。
また症状が仕事をする上で妨げにならない工夫を習得できるコツについても解説します。
ASDとADHD
ASDとADHDは発達障害という点で同じくくりになります。だから同じように仕事上で困難さを覚えることが多いです。
けれど、その理由を良く見てみると違いが分かります。一方で2つの障害は合併することもしばしばあります。そのため、対策を考える上で詳細に症状を観察することが必要となります。
ここでは仕事上でのそれぞれの特徴をみていきます。
1.ASDとADHDの共通点
共に発達障害と言われる分類に属しています。先天的な脳の器質障害だと言われています。例えば後天的な環境要因も強いとされる精神疾患の統合失調症などで似た症状を呈することがあります。けれど症状は似ていても発達障害は先天的な障害です。
そして、共に残念ながら現在の医学では根治させることはできないとされています。
仕事での困難さという点では、「場の空気が読めない」、そのため「人間関係の構築が苦手」、「ミスが多い」などが共通して見られます。
2.ASDとADHD仕事上のトラブルに違いはあるの?
違いを明らかにすることは、それぞれの特徴を捉えることとほぼ同じになります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
① ASD仕事上の特徴
- 他人の気持ちを言外に察する力が弱いため対人関係に困難さを感じます。複数のメンバーで仕事をするときなどにチームワーク構築が難しい傾向があります。
- 婉曲な表現が伝わりにくいです。言葉通りに物事を捉えがちで遠回しに仕事上の指示をすると理解しにくい傾向があります。
- ルーティーン化された業務はできるのですが突発的なことがらに対峙すると動揺してしまい対処できない傾向があります。
- 音や光などの感覚刺激に過敏であったり、逆に鈍麻であったりします。そのせいで業務に集中できないこともあります。
② ADHD仕事上の特徴
- ASDと比べて他者と交流すること自体を避けようとはしません。けれど、自己の興味関心にだけ焦点を当ててしまう傾向がありますので、一旦は関係性を築けるのですが壊れてしまうこともよくあります。
- 注意欠如という特徴があるためケアレスミスが目立ちます。また、物を紛失したり、仕事上の留意事項などを忘れてしまったりします。
- 衝動性があるため感情のコントロールが苦手で同僚や場合によっては上司、顧客の前ですら感情を露わにしてしまうことがあります。
ASDとADHD仕事上のトラブルを防ぐ工夫
まずは主治医に相談しましょう。そして必要であれば症状を抑えるための投薬治療などを行ってもらいましょう。さらに自分の症状は例えばASDなら「それだけのものなのか?」それとも、「ADHDも合併したものか?」などを見極めてもらいましょう。
医師の力を借りてある程度の症状まででコントロールができている前提が必要です。その上で具体的な工夫について考えていきましょう。
また、発達障害は外見で判別がつきにくいため風変わりな行動が人格的なものと誤解されがちです。出来れば職場に自分の特性をオープンにして働くことが望まれます。
1.ASDの仕事をする上での工夫
- 裁量を任せられた指示が分かりにくい傾向があります。自分なりに曖昧な指示を実行しようとするとなかなか判断がつきません。場合によっては業務を遂行できなくなります。そういったときは遠慮せず「具体的な指示をください」と上司にお願いしましょう。
- 相手の表情や場の空気で会話の内容を推し量ることが難しいです。上司や同僚に文字や図を用いた自分なりに理解しやすい形でのコミュニケーションをお願いしましょう。タブレットなどを用いて視覚的に情報を得ると分かりやすいこともあります。
- 知覚過敏なども周囲の人には分かりにくい点なので音や光については職場の理解を得た上で耳栓や色付きの眼鏡などを装着して対策しましょう。
2.ADHDの仕事をする上での工夫
- ケアレスミスをしてしまう。整理整頓が苦手。物忘れが多いなどのトラブルが起きがちです。それらを防ぐためにはとにかくメモを習慣化しましょう。「大切なものをどこに置いたか?」「業務上で約束した内容、日時、場所」等書きとめておきましょう。
- マルチタスクが苦手です。物理的に整理整頓が苦手なように心理的にも優先順位をつけて順序だてて複数の業務をこなすことが苦手です。これも無理して行うと業務でミスしたり、停滞させたりすることになります。それよりは、遠慮せず上司に「できればひとつの業務指示に集中させてください。」とお願いしましょう。
- スケジュールの把握、実行が苦手ですのでタブレットなどに次の予定が表示されるように設定しましょう。職場の理解を得た上で予定を知らせるアラーム等を活用しましょう。
ASDやADHDの人が仕事上の工夫を習得するコツとは?
発達障害の方は環境が整っていれば、アートなど特定の分野で優れた才能を発揮します。そのためには良き理解者、支援者が寄り添ってくれることがとても大切です。
就労移行支援事業所の利用
① 就労移行支援事業所とは?
就労移行支援事業所ではASD、ADHD等の方々が仕事をする上で必要とされる様々なスキルを学ぶことができます。
また、SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)などを受けることができます。そのため、実際職場で自分の特性から起きると予想されるトラブルに対処する方法を学ぶことができます。
また、実際に就職先を得ようとしたとき、専門職であるスタッフが発達障害に理解がある企業を紹介してくれます。就職後も定着できるように職場との間に入ってサポートしてくれます。
おすすめの就労移行支援事業所
ASDやADHDの方が就職の上での悩みや困りごとを解決していくとき、おすすめしたいのがIT特化型就労移行支援事業所COCOCARAの利用です。
視覚障害者における眼鏡、聴覚障害者における補聴器にあたるのが、発達障害の人ではタブレットと言われています。
COCOCARAではIT端末の取り扱いについて詳しく学べます。タブレットを活用することで対人コミュニケーションを円滑にしたりスケジュール管理を上手に行ったりできるようになります。
また、福祉専門職であるスタッフが障害特性を深く理解しています。そのため必要となるSSTにも力を入れています。就職後想定される仕事上の工夫を事前に学ぶことができます。
まとめ
代表的な発達障害にASDとADHDがあります。それぞれ共通するところもあれば違いもあります。
いずれにせよ、就職すると障害特性から仕事をする上での工夫が必要となります。
就労移行支援事業所を利用することにより発達障害に寄り添ってくれる信頼できるスタッフを得ることができます。そして、就職後想定される仕事上の工夫を事前に学んでおくことができます。
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