今晩は、サービス管理責任者の関です。今回は読み物を読む感覚で読んで頂ければ幸いです。週刊朝日 ・2022年2月18日号の記事からの抜粋です。
幼いころのアクシデントで両目の視力を失った奥山茂さんは、昨年、法律系の資格試験で最難関とされる司法試験に合格した。なぜ弁護士になろうと決意し、どんな勉強法を重ねたのか。全盲の受験生が合格を勝ち取るまでの長い道のりと、これからの目標を語ってもらった。
2021年9月7日、奥山茂さんは東京都内の自宅で友人と待機していた。5月に受けた司法試験に合格したか、目が見えない自身に代わって友人に確かめてもらうためだ。発表は午後4時。その瞬間、法務省のホームページにアクセスが集中し、ページが読み込みにくい状態になった。 スマートフォンで奥山さんの受験番号が掲載されているのを確認した友人に、「2056番で合ってる?」と尋ねられたが、すぐには合格を信じられなかった。「司法修習の打ち合わせをするため研修所に行くことになった段階で、初めて現実味が湧いてきました」 福岡県久留米市で生まれ育った。8歳のとき、小学校の体育館にある平均台で友達と遊んでいて、コンクリートの床に落下した。「頭を打っただけ」と最初は思っていたが、翌日にかけて視力が失われていった。 「オ予備校に通うことは難しかったため、インターネットで教材を買い求め、卒業後もひとり勉強を続けた。実家の仕事を手伝うなどしながら10回以上、司法試験に挑んだが、壁は厚かった。 障壁となっていたことが主に二つあった。一つは、受験環境の問題だ。 司法試験の科目は短答式(憲法、民法、刑法)と論文式(公法系、民事系、刑事系、選択科目)からなる。奥山さんが大学を出たころは、視覚障害者は試験を点字で受けていた。試験時間は一般受験者の約1.5倍あるが、書き込みをすることで考えを整理できない視覚障害者は、頭の中で解答を組み立てるのに時間を要する。その結果、試験時間が足りなくなる受験者が続出していたという。奥山さんもそのひとりだった。2003年、受験条件の改善を求める請願が参議院に出されたことなどから、現在ではパソコンでの答案作成が認められている。個室で受験し、自分が入力した答えは音声ソフトで確認できる。以前に比べれば前進だが、一般の受験者に比べ、心理面や身体面で視覚障害者の負担はなお大きい、と奥山さんは訴える。 「司法試験は4日に分けて行われます。一般受験者の終了時刻は18時でも、解答に時間がかかる視覚障害者は夜22時近くまで及び、その翌日の集合が朝7時半だったこともありました。ストレスは大きかったです」 もう一つのネックは論文対策。短答式は独学でも対策ができたが、論文を書くのが奥山さんは不得手だった。 「私のころは、盲学校では文章作成の授業が非常に少なかった。自分では論文のつもりでも、人から見れば何を書いているのかよくわからない状態だったと思います」 司法浪人を続けるうちに、試験を取り巻く環境は変わった。旧司法試験は11年に終了し、06年にスタートした新制度では、受験するには原則として法科大学院を修了しなければならなくなった。受験回数も「5年以内で5回」の制限が設けられた。 奥山さんは都内にある私大の法科大学院を修了したが、5年以内の合格はかなわず、受験資格を再び得るため、19年に明治大の法科大学院(法務研究科)に再入学する。入試時の成績から特待生扱いとなり、学費は免除された。レンジ色のサングラスをかけたように、視界がだんだん黄色がかった感じになっていきました」 翌日、母親に連れられ病院で診察を受け、即入院。眼球の内側にある膜がはがれる「網膜剥離(はくり)」と診断された。半年間で4回手術を受けたものの視力は戻らず、約1年後に盲学校に転入した。 障害者に限らず、さまざまな人と接する機会を広げたいという思いから、高校進学を機に東京へ。筑波大学附属視覚特別支援学校を経て、亜細亜大に進んだ。司法試験を受けると決めたのは大学2年生のときだ。 「そのころ視覚障害者の仕事といえば、はり・きゅう・あん摩が定石でしたが、他にも道はあっていいと考えていました。障害者の場合、家ひとつ借りるのにも難色を示されることがある。弁護士資格があれば同じ状況下で困っている障害者も助けられると思いました」
勉強にはパソコンの音声ソフトを活用した。同大の法務研究科事務室のバックアップが大きな支えになった。職員が早い段階で授業計画を把握し、講義で使われる書籍や教材を、音声ソフトが読み込める形式のテキストデータに変換。奥山さんに提供した。 データをただ渡すのではなく、「同義語が多いものは平仮名になっていたり、改行が多いものは段落ごとにまとめてくださったりと、とても配慮が細やかでした」と奥山さんは感謝する。 授業中は片耳にイヤホンを当て、音声化されたデータを聞きながら、もう片方の耳で講師の話を聞いた。 奥山さんは職員から提供されたデータをもとに、一問一答形式の問題を1千問以上、自作した。答えをパソコンに打ち込み、読み上げながら正解と照らし合わせる。それをひたすら繰り返した。目が見える受験者と違い、マーカーや単語カードは使えない。その場で覚えることを心がけた。論文対策は過去問をもとに答案を作り、授業で教員の講評を受け、ブラッシュアップする作業を重ねた。 「『書く順番が違う』『何を書いているかよくわからない』など、忌憚のないご指摘を講師からいただき、自分の文章の癖に気付けました」 周囲のサポートや自身の努力が実り、明大の大学院を修了した昨年、ついにチャレンジが実を結ぶ。法務研究科事務室の中崎奈緒子さんは、奥山さんの合格をわがことのように喜んだ。 「お渡しするデータのことから、『最近どう?』といった雑談も含め、奥山さんが事務室にいらしたときはよくお話ししていました。ハンディキャップがありながら努力を続ける姿勢には心を打たれるものがあり、合格を聞いたときは涙が出るほどうれしかったです」 視覚に障害がありながら活躍する弁護士は、まだまだ少ない。奥山さんは自らの経験を生かし、将来は障害者の就労サポートに取り組みたいと考えている。 「障害者雇用に関する講習会の開催を企業に働きかけるなど、障害者が働きやすい環境を作る手助けをしていきたいです」 現在は司法修習生として、弁護士になる夢に向かって着実に歩みを進めている。
以上、サービス管理責任者の関がお送りしました。 ——————————————————————————————– 見学・体験へのお申込み・相談は 電話 03-5980-8834 (電話受付時間 平日9時30分~18時) メール:info@cccara.com HP:https://degi-ca.com (1)お名前 (2)性別 (3)お住まい(住所) (4)連絡可能な電話番号(携帯・スマートフォン可) (5)診断名(任意) (6)希望見学or体験日(複数提示して頂けると助かります) (7)メールアドレス(スマホ・携帯・PC・フリーアドレスいずれか)
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