8月が近づくと、「今年も帰省の季節か」と気が重くなりませんか。
実家に帰ることを考えただけで疲れてしまう。
そんな気持ちは、決して珍しいものではありません。
お盆だからといって、無理をしてまで帰省しなければならないわけではありません。
今回は、帰省する場合の受け流し方や、帰らないと決めたときの伝え方など、少し気持ちが楽になる考え方を紹介します。
帰省が苦痛に感じる理由
あなただけじゃない!夏になると「仕事に行きたくない」と感じる理由.jpg)
実家という場所は、必ずしもすべての人にとって「安心できる場所」とは限りません。
疲れがたまっていたり、仕事や体調のことで余裕がなかったりすると、帰省そのものがプレッシャーになることもあります。
「現状」を値踏みされる恐怖
親戚が集まる席では、悪気のない「近況報告」が飛び交います。
「今、どんな仕事をしているの?」「そろそろ結婚の予定は?」といった質問が、挨拶代わりに交わされることも珍しくありません。
質問する側に悪意がないからこそ、拒絶しにくく、胸に深く刺さります。
同世代のいとこと比較されているような空気を感じたり、自分の現在の立ち位置を値踏みされているように思えたりして、その場にいるだけでしんどくなってきますよね。
親からの「心配」という名のコントロール
「あなたの将来が心配だから言っているのよ」
この言葉は、とても心に刺さります。
親も心配だから言っていると分かっているので、こちら側としては反論や拒絶がしにくくなります。
しかし、「安心してほしい」という親の気持ちが、結果としてプレッシャーになることもあります。
過干渉なアドバイスやアドバイスの形をとった説教は、自分で決める余地がなくなったように感じたり、否定された気持ちになったりすることがあります。
「昔の自分」に引き戻される感覚
実家という空間そのものが、過去のトラウマを刺激するトリガーになるケースもあります。
不登校やひきこもりだった時期の苦しさ、部屋にこもっていたときの息苦しさ、親の期待に応えられずに申し訳ないと感じていた罪悪感。
どれだけ現在、一歩ずつ前に進んでいたとしても、実家に帰ると、昔の自分に戻ってしまったような感覚になる人もいます。
変化を認められないもどかしさ
人間は日々変化し、成長していくものです。
しかし、親にとってはいつまでも「子どもの頃のあなた」のイメージが強く残っています。
そのため、現在のあなたの考え方や生き方を尊重してもらえず、古い価値観や役割を押し付けられることがあります。
一人の自立した大人として扱われないもどかしさが、実家での滞在をより窮屈なものにしていきます。
傷つかないための適度な受け流し方

様々な事情から、どうしても今年は断れずに帰省することになった、という場合もあるはずです。
その際に最も大切な心構えは、「真面目に戦わないこと」です。
親や親戚の言葉を正面から受け止めず、受け流すための技術を身につけておきましょう。
質問には「主語」をなくして具体性を消す
「最近、仕事のほうはどうなんだ?」と聞かれたとき、自分の具体的な業務内容や、現在抱えている悩みを正直に説明する必要はありません。
コツは、主語を「自分」から「世間」や「業界全体」にすり替えてしまうことです。
「まあ、今の時代はどこも変化が激しくて大変だけど、ボチボチやってるよ」
「最近は業界全体で人手不足がニュースになってるみたいね、うちの周りもそんな感じかな」
このように、具体性を完全に消した「一般的な話」に終始することで、相手はそれ以上深く突っ込みにくくなります。
自分のプライベートな領域に踏み込ませないための、あえて曖昧に返すくらいで十分です。
「生返事」のバリエーションを用意しておく
相手の意見に対して、同意も反論もしない絶妙な相槌をいくつかストックしておきます。
「あー、そういう考え方もあるんだね」
「なるほどね、おじさんの時代とはいろいろ変わったかもしれないね」
「確かに、そういう風に見える部分もあるよね」
これらのフレーズは、一見すると相手の話を熱心に聞いているように見えますが、その実は中身を一切自分の心に浸透させていない自分を守るための受け答えです。
言葉のやりとりをせず、すべてその場にポトリと落とすイメージです。
意外と、それだけで話が終わることもあります。
動けない「役割」を自ら買って出る
親戚が集まるリビングの真ん中に座っていると、どうしても会話のターゲットになりやすくなります。
それを防ぐために、あえて「席につかない、忙しく動く人」のポジションを確保してください。
お茶や食事を運ぶ係になる
食べ終わったお皿を積極的に台所に片付けに行く
足りないものの買い出しを自ら買って出る
小さな子どもやペットがいるなら、その相手役に専念する
座ってじっくり対面する時間を物理的にゼロに近づけることで、尋問のような重苦しい会話から自然とエスケープすることができます。
「気が利く人」という評価を得ながら、自分の身を守る一石二鳥の方法です。
スマートフォンや「急な用事」を理由に席を外す
どうしても会話が苦しくなったら、無理をせずその場を離れる口実を作りましょう。
「あ、ちょっと会社(あるいは友人)から連絡が入っちゃったから、部屋で確認してくるね」とスマートフォンを見ながら席を外すのは、現代において非常に自然な行動です。
自室やベランダ、あるいは近くのコンビニまで散歩に出かけるなどして、自分の時間を確保してみましょう。
帰らないという選択肢
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もし、今のあなたの気持ちがとても疲れているなら、あるいは「帰省のことを考えるだけで夜眠れなくなる」という状態なら、今回は「帰らない」という選択肢もあります。
親をがっかりさせるのではないか、という罪悪感はあるかもしれません。
しかし、自分の体調やメンタルを崩してまで守るべき義理はありません。
波風を最小限に抑えつつ、穏やかに断るためのおすすめの方法をいくつかご紹介します。
誘われる「前」に先手を打つ
帰省を断る際、最も避けたいのはお盆直前になって「やっぱり行けない」と伝えることです。
直前になればなるほど、親側は食事の準備や予定の調整を済ませてしまっているため、ショックや怒りが大きくなってしまうかもしれません。
そのため、カレンダーが7月に入った段階、あるいは遅くともお盆の2〜3週間前の段階で、「今年はちょっと帰れそうにないんだ」と事務的に伝えておくのが一番の防衛策です。
先に帰省できそうにないと伝えることで、直前よりも、早めに伝えたほうが受け入れてもらいやすいこともあります。
「客観的な理由」を用意する
断る理由は、相手が「それなら仕方ないか」と納得せざるを得ない、客観的な理由を用意しておくことです。
嘘をつく必要はありませんが、自分の体調や状況を守るため、表現を工夫することは許されます。
仕事やキャリアを理由にする
「お盆の時期にどうしても外せない仕事(あるいはシフト)が入ってしまった」
「秋にある資格試験の勉強に集中したくて、まとまった時間をここで使いたい」
体調や休息を理由にする
「最近少し疲れが溜まっていて、この休みは移動ストレスを避けて、家でじっくり体調のメンテナンスをしたい」
社会情勢や混雑を理由にする
「お盆時期のラッシュによる混雑が激しく、今の体力だと移動だけで体調を崩してしまいそうだから、時期をずらしたい」
ポイントは、「実家に帰りたくないから」ではなく、「帰りたい気持ちはあるけれど、外的な要因のせいでどうしても難しい」というニュアンスを持たせることです。
短く、きっぱりと伝える
理由を伝える際、申し訳なさからダラダラと言い訳の長文を重ねてしまいがちです。
しかし、文章が長くなればなるほど、相手に「食い下がれば説得できるかもしれない」と思わせる隙を与えてしまいます。
メッセージはシンプルに、要点だけを伝えるのが鉄則です。
「お盆休みの件だけど、今年は仕事の予定(あるいは体調管理)の関係で、実家への帰省は見送ることにしたよ。
せっかく用意してくれていたら申し訳ないけれど、今回は自宅でのんびり過ごさせてもらいます」
これくらい簡潔な連絡のほうが、相手も事実として受け入れやすくなります。
次の機会を伝える
ただ「行かない」とだけ伝えると、親は「見捨てられた」「拒絶された」と感じて過剰に反応することがあります。
その感情を和らげるために、必ずセットで代替案を提示しておきましょう。
「お盆は帰れないけれど、混雑が落ち着いた秋頃に一度、荷物か何か送るね」
「お盆休みの期間中に、一度時間を合わせて電話かビデオ通話で顔を見せるよ」
「年末年始の空いている時期に、時期をずらして帰ることを考えているよ」
別の形でコミュニケーションをとる意思があることを示すだけで、親側の寂しさや不安は大幅に軽減されます。
形だけの約束であっても、その場のクッションとしては十分に機能します。
親との関係性における距離感

私たちは子どもの頃から「親を大切にしましょう」「家族仲良く過ごしましょう」という価値観を刷り込まれて育ちます。
そのため、親の期待を裏切ることに対して、過剰なまでの罪悪感を抱きがちです。
しかし、大人になったあなたと親は、それぞれ独立した別の人間です。
家族であっても、お互いのプライバシーや心理的スペースを守るためには良い距離感を持つことが大切です。
罪悪感は「境界線」が引けている証拠
帰省を断るときに胸がチクチク痛むのは、あなたが冷酷な人間だからではありません。
むしろ、親の気持ちを想像できる優しい人間である証拠です。
そして同時に、その罪悪感は「自分が親のコントロールから抜け出し、一人の大人として自分の人生の決定権を握り始めた」という健全な成長のサインでもあります。
罪悪感を恐れて自分の意思を引っ込めてしまうと、いつまでも親との共依存関係から抜け出すことができなくなります。
適切な距離が、結果的に家族を救うこともある
無理をして帰省し、実家で感情が爆発して大喧嘩になってしまったり、帰宅後に寝込んでしまったりするくらいなら、最初から適切な距離を保っているほうが、お互いのためになります。
「年に数回、義務感でピリピリしながら会う関係」よりも、「普段は離れているけれど、たまに電話で穏やかに近況を話せる関係」のほうが、長期的に見てはるかに健全ではないでしょうか。
距離を置くことは、関係を壊すためではなく、関係を長持ちさせるための「大人の知恵」なのです。
迷ったときの判断材料

「受け流す技術を使って帰るべきか、それとも今回は断るべきか」
最終的な決断を下す前に、少し立ち止まって考えてみてください。
帰省してもいいかもしれない
実家のことを考えても、動悸がしたり夜眠れなくなったりはしない
嫌なことを言われても、その場は聞き流して「後で美味しいものでも食べよう」と切り替えられる心の余裕がある
滞在期間を「1泊2日」など極端に短くして、ホテルの部屋を確保するなどの自己防衛策をとる元気が残っている
この状態であれば、防衛テクニックを駆使しながら、割り切って「今回はそういうもの」として帰省をこなすことも可能かもしれません。
今回は休んでもいいのでは?
帰省の予定を考えるだけで、涙が出てきたり胃が痛くなったりする
現在、仕事や日常生活を維持するだけで精一杯であり、これ以上のストレスを処理する余裕がない
親の顔を見た瞬間、感情がコントロールできなくなる、あるいは完全に心を閉ざしてしまいそうな予感がする
ここに当てはまる場合は、「帰省しない」を選んでみてはどうでしょうか。
まず優先したいのは、自分の体調や心の余裕です。

あなたの夏休み!
でじもふくんのひとこと
「無理して帰らなくて
いいんだよ~」

お盆休みというまとまった休暇は、日頃の社会生活で擦り切れた心と体を癒やし、自分自身を最優先で労るための大切な時間です。
誰かの機嫌を取るために、自分のメンタルを切り売りする場所ではありません。
実家と適切な距離を置くことは、親不孝ではなく、お互いの関係性をこれ以上悪化させないための前向きな選択です。
今年は、他人の視線や世間の「普通」から一度自由になってみませんか。
自分が一番ホッとできる部屋で、好きな映画を観たり、ただただ泥のように眠ったりする。
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